鹿児島 天文館の拠点づくりを目指して―千日町1・4番街区 市街地再開発準備組合

Tenmonkan Dream Project

天文館の新しい広場について考えよう! 選考結果

天文館の新しい広場について考えよう!

~待ち合わせ場所の定番「タカプラ前」が広場になります~

 鹿児島にゆかりのある人にとって、特別な場所「天文館」。この天文館の一角で、私たち、千日町1・4番街区市街地再開発準備組合は、再開発に取り組んでおり、天文館通電停の目の前に、いつでもにぎわっている広場をつくりたいと考えております。
 この広場の計画について、みなさんにアイデアを募集しましたところ、予想を大きく上回る86点のご応募がございました。
 応募していただいた方々、また、この企画にご協力をいただいた方々に厚く御礼申し上げます。

千日町1・4番街区市街地再開発準備組合
理事長 牧野田 栄一

概  要

1.主催
千日町1・4番街区市街地再開発準備組合、後援:鹿児島市
2.趣旨
多くの人々に親しまれ、いつでもにぎわっている広場とするため、広くアイデアを募集
3.募集期間
平成28年5月30日(月)~7月25日(月)
4.応募作品
86点
5.優秀賞
11点(「広場計画案審査会」が選考)
6.審査員
7名
(会長)鹿児島大学 特任教授
井上 佳朗
鹿児島県観光プロデューサー
奈良迫 英光
公益社団法人 鹿児島県建築士会 会長
守真 和弘
We Love天文館協議会 会長
牧野 繁
鹿児島市建築部長
屋野 伸洋
再開発コンサルタント((株)アール・アイ・エー)
早田 満
再開発準備組合 副理事長
久永 修平
7.授賞式
平成28年8月17日(水) 11:00~
鹿児島市役所 東別館9階 特別中会議室にて
8.作品展示
(1) 鹿児島市役所みなと大通り別館2階市民ギャラリー [8/10(水)~19(金)]
(2) タカプラ 1階エレベーター前階段        [8/10(水)~31(金)]
(3) 鹿児島市役所東別館7階エレベーター前      [8/10(水)~31(金)]
(4) 鹿児島市立美術館エントランスホール       [8/12(金)~31(金)]
※(1)には、全応募作品86点を展示し、(2)~(4)には優秀賞作品11点を展示します。

全体講評

広場計画案審査会 会長 井上 佳朗
(鹿児島大学 特任教授)

 今回の広場の計画案募集は、計画される再開発ビルの広場について、あらかじめ設計された建築物の空間をデザインするものではなく、自由な発想から、ソフト・ハードを含めた使われ方やあり方を探るためのアイデアを募集するというものでした。
 86点の応募作品のうち、学生からの応募はおよそ50点、設計事務所の建築士からの応募はおよそ20点ありました。
 作品の内容は、ハード面の提案からソフト面の提案までバラエティに富み、全体として天文館の新しい広場に対する注目の高さが感じられるものでした。
  選考は、7名の審査員による「広場計画案審査会」により行い、選考は、以下の4つの観点から行われました。
 [1] 天文館のにぎわい・魅力・集客力の向上
 [2] アイデアの面白さ・独創性・話題性・斬新さ
 [3] 実現可能性・発展拡大性
 [4] 構成力・表現力
 この評価ポイントに基づき総合的に審査した結果、優秀賞11点を決定しました。
 今回優秀賞に選考された作品には、コンセプトが明快なもの、造形的アイデアに優れたもの、オリジナリティに溢れ訴求力のあるもの、イラストや写真を用いてイメージをわかりやすく伝える工夫に優れたものなどを評価させていただきました。
 86点の作品の中には、実現可能性という点で評価が難しい作品もありましたが、今回は、天文館の新しい広場に対するみなさんの思いを募集したものであることから、実現の可能性よりも、アイデアの面白さを重視させていただいたことをご理解願います。
 最後になりますが、優秀賞を受賞したアイデアをはじめ、今回提案されたアイデアが必ずしもそのまま実現する訳ではありませんが、今後進められていく再開発ビルの計画に一つでも多くの提案を活用していただき、多くの人々に親しまれ、常時多くの人々が集う広場となり、いづろ・天文館地区のさらなる活性化と持続的発展が図られることを期待します。

受賞作品紹介および講評(全11点)

『待合わせ場所「タカプラ前」の新たなる「可能性」』 井尻 敬天


待合わせ場所「タカプラ前」の新たなる「可能性」(PDF:1,186KB)

 デジタル柱といった仕掛けから、広場のレイアウトや店舗配置、再開発ビルのアプローチまで、たくさんのアイデアを紙面いっぱいにちりばめ、応募者の広場に対する思いが強く伝わってくる作品。
 単に広場空間を提案するだけでなく、利用者からどのような使われ方をしたいか、使われ方を全面的に提案して楽しさを演出している点を高く評価した。

「315広場-サイゴーひろば-」 木元 達也


315広場-サイゴーひろば-(PDF:859KB)

 鹿児島の偉人「西郷隆盛」にちなんだ31.5mの長いベンチ(サイゴーベンチ)の発想はユニークであり、その使い方についてはさらなる発想の展開が期待できる。座ると自然に会話が生まれるようなベンチは、まちのにぎわいに欠かせないものであると再認識させてくれる。
 また、この作品の緑は、シンボルツリーではなく、庭園のように広がる緑であり、変化に富んだ楽しさを感じられる点を高く評価した。

「毎月灯~灯りに集う新たな待ち合わせの場~」 桑原 建大


毎月灯~灯りに集う新たな待ち合わせの場~(PDF:796KB)

 鹿児島の夏の風物詩「六月灯」の風景をモチーフにしたアイデアは、奇をてらうことなく鹿児島の風景に馴染むものとして高く評価された。また、六月だけでなく、毎月、毎日にぎわいが生まれ、この広場が天文館の灯火(ともしび)となることを期待するというコンセプトもストーリー性があって面白い。
 大階段については、人を2階へと誘うアプローチとして、また、イベント時の観覧席として、多目的な機能を有しながらも単純明快に空間を構成している点を評価した。

「せせらぎに誘われて」 佐々木 麻結・本山 翔伍


せせらぎに誘われて(PDF:1,301KB)

 「昼のまちと夜のまちをつなげる親水広場」というコンセプトで、広場に「水」を採り入れた作品。親水広場のイメージが魅力的に表現されている点を高く評価した。
 また、2階バルコニーの計画はイベント広場への内部に向けた視点だけでなく、「おはら祭」や「おぎおんさあ」を観覧するという外部に向けた視点にも配慮されている点が素晴らしい。

「TENMACHI GⅢ」 SHINSUKE ISHIKAWA


TENMACHI GⅢ(PDF:473KB)

 広場は、木材や木調の素材を多用した壁や天井で構成されており、あたたかみや心地よさを感じさせる空間となっている。木材等をふんだんに使用することで、広場を多くの年代の人々が集まるシティリビングにするという発想を高く評価した。
  また、広場とG3アーケードを一体的に考えて提案することで、より良いまちづくりにつなげたいという応募者の思いが伝わる作品であった。

「シーズンズスクエア」待ち合わせはいつもここからを提案する会 代表 末弘 靖子


シーズンズスクエア(PDF:762KB)

 他にはない待ち合わせ場所という着目点から、広場の天井部分をスクリーンとして様々な演出ができるという作品。待ち合わせ場所の空間演出だけでなく、情報発信のアイテムとしての活用も期待できる。
 また、広場の使い方については、夏はミストシャワーを利用したクールスポットや、冬はスケートリンクの設置など、季節に合わせた演出もユニークなものが提案されており、天文館のランドーマークとなるようなにぎわいが期待できる点を評価した。

「フォトロゲイニング」 チームYK(山田 大輔、古谷 早希)


フォトロゲイニング(PDF:900KB)

 「ロゲイニング」というスポーツと、携帯アプリケーションやSNSといった情報発信ツールを融合させるというアイデアが斬新で興味深い作品。
 このイベントに参加する人たちが、広場の中だけに収まらないで、天文館のまち全体に繰り出すことによる効果は非常に大きく、様々な展開が期待できる。
 若者の目線による、若い人たちを呼び込むアイデアとして高く評価した。

「にぎわいの可視化」 株式会社 東条設計


にぎわいの可視化(PDF:942KB)

 緩やかな傾斜を持つ丘(天文館ヒルズ)が、自然な形で再開発ビル2階の建物内へ人を誘導するアプローチや、人が自由に座るスペースとして機能する光景はユニークで面白く、広場に丘をつくるという斬新な発想を評価した。
 今回の募集では、地下や半地下の設定は無かったが、地上から広場の下のアクティビティを覗くことができるような、にぎわいを可視化する仕掛けは非常に面白い。

「Green for square」 株式会社 東条設計


Green for square(PDF:1,088KB)

 可動式の緑化パネルを折りたたんだ時にできる立体感のある造形がユニークであり、可動式のパネルと壁面緑化との組合せるという発想を高く評価した。
 昼間の広場に木漏れ日がさす光景や、夜間の広場の明かりが外部に漏れる光景などは魅力的であり、防音・断熱効果なども含めて、壁面緑化の魅力を再認識させてくれる作品である。

「時の広場」 株式会社 東条設計


時の広場(PDF:842KB)

 「天文館」にちなみ、砂時計をモチーフとした柱が特徴で、天文館の歴史や薩摩暦なども連想させるオリジナル性が高く評価された。1年に1回砂が落ちる時計や1か月に1回砂が落ちる時計などの組み合わせにより広場のデザインが刻々と変化する様子は、待ち合わせを楽しめる広場として面白い。
 また、定時になると時を知らせる仕掛けや砂時計ごとに色彩や素材を変えるなど、さらなる展開にも期待ができるアイデアである。

「天文館に森と光を」 松葉瀬 忠夫


天文館に森と光を(PDF:1,421KB)

 緑や木のぬくもりが、広場にとって重要な要素であることを再認識させてくれる作品。
 今回の募集では、天井が開閉可能となる構造の設定は無かったが、「天文館に森と光を」という明快なコンセプトのもとに、シンボルツリーや植栽壁といった森のイメージと、外部からの日差しやLED照明といった光のイメージが、作品の中に魅力的に描き込まれている点を高く評価した。
 また、子供や高齢者といった弱者も集える場所にしたいという姿勢にも共感できる。